今年度の全国ピアスタッフの集いは12月上旬の実施でしたが、とても12月の気温とは思えないほどの 晴れの日でした。晴天と学内の銀杏が綺麗に色づく中、北は北海道から、南は沖縄までと、本当に全国 各地から沢山の方が足をお運びくださいました。改めて心よりお礼申し上げます。
ここ数年の世の中の状況から、顔を合わせての出会い、言葉や気持ちを交える機会を持つことが難しい 時期が続きました。けれどもこの2日間、とくに分科会や交流会が行われた2日目には会場の至る所で 「はじめまして」「ひさしぶりです」「会いたかったです」などの声が聞こえ、そんな皆さんのお姿をみてとて も胸いっぱいであったと共に、こんなこと・あんなことを皆さんと沢山分かちあいたいという気持ちが湧き 出てくるような時間でした。顔を合わせるのが難しい時期に、障害福祉サービスにおいては報酬化がなさ れ、2024年度からは新たに共同生活援助(グループホーム)や自立訓練(生活訓練)にもピアサポート 実施加算が新設される見通しです。そのような中でピアスタッフ、ピアサポーターとしての働きをスタート された方もいるでしょうし、ここ数年でその存在を知り、興味関心を持たれた方もますます増えていること でしょう。
ピアスタッフ・ピアサポーターの多くは、日頃多くのことを感じ、そして模索しながら働いていることと思い ます。時に嬉しかったことを誰かに伝えたくなったり、どう考えたらよいのだろう?という疑問やモヤモヤを 誰かと共有したくなることもあるでしょう。しかしながら、そのようなことを分かち合い、交わり合う機会が 多いとははまだまだ言えない状況であると感じています。全国ピアスタッフの集いは年に1回ですが、その 年に1回の集いで、他のピアスタッフ・ピアサポーター、関心を寄せて下さる他の職種の皆さんと心を通わ せあうことを通じて、明日へのエネルギーに繋がること、そして自分自身が大切にしたいことを思い起こせ るような機会になることを願っています。 みなさん、きっとまたどこかでお会いしましょうね。
最後に、共に運営をしてくださった現地実行委員の皆様、今年度の集いを東京で開催させてくださった 日本ピアスタッフ協会の皆様に心よりお礼申し上げます。
第11回全国ピアスタッフの集い実行委員長
佐々木 理恵
第11回 全国ピアスタッフの集い
「何度でも 仲間にあえる・つながれる ~共感の先にみえてくるもの~」
第11回目を迎える今年の「全国ピアスタッフの集い」 は、東京で2日間、開催いたします。
1日目(12/9・土)は海外からの演者をお迎えし、科研費プロジェクトとしての公開講演会を行います。 2日目(12/10・日) は主にピアスタッフに関わるさまざまなテーマの分科会を行います。みなさまとお目にかかれますことを楽しみにしております。どうぞふるってご参加ください。(※1日目の科研費公開講演会についてのみ、後日動画視聴できます。※要申込)
【ご挨拶】
日本の各地で活躍を耳にするようになったピアスタッフ・ピアサポーターが東京・代々木の国立オリンピックセンターに集ったのが2012年。それが全国ピアスタッフの集いの出発点となり、今年第11回目を迎える運びとなりました。ここ数年は世の中の事情を鑑み、規模を縮小をしながらオンライン開催をしてきましたが、昨年の福岡開催から会場参加も再開し、少しずつ交流機会としても集えるように、と思っています。そのようなここ数年の状況を踏まえ、今年のテーマは「何度でも 仲間にあえる・つながれる ~共感の先にみえてくるもの~」としました。
ピアスタッフ・ピアサポーターはひとり職場という人がまだまだ多くを占めています。全国ピアスタッフの集いでは、再会はもちろんのこと、仲間との出会い直しの意味も含めた「何度でも」あえる場となれば嬉しく思います。また、はじめて出会って下さる方(つまり初参加の方)も是非いらしてください。心より歓迎いたします!
そして、ピアスタッフ・ピアサポーターの強みは、病や障害を経験したからこそわかる”共感”、としばしば耳にしますが、その共感をさらに一歩深める機会となればと考え、副題は「~共感の先にみえてくるもの~」としました。精神保健分野においては胸が痛むような聞くに堪えないニュースが日々、止まることがありません。そのような状況に対し、精神保健分野に身を置き働くピアスタッフ・ピアサポーターは何が出来るのでしょうか。共感があると何が起きるのか?何が起こせるのか?入職してすぐに大き
な何かを成し遂げるということはなかなか難しいとも思います。しかし、なにも出来ないわけでは無いと思います。そのようなことを頭の片隅に置きながら、今年の全国ピアスタッフの集いにご参集頂き、交流できたらと願っています幸。みなさん是非いらしてくださいね!
【目的】
全国のピアスタッフ(当事者スタッフ・ピアサポーター等含む)が一堂に会し、学び、交流し、情報交換をし合うことを目的とする。加えて、ピアスタッフに関心のある当事者、専門職者、行政等も交えて、日本のピアスタッフの現状と今後について考える機会をつくることを目的とする。
【対象】
ピアスタッフ(ピアサポーター,当事者スタッフ等含む)および関心のある方(これからピアスタッフになりたいと考えている当事者、共に働いている専門職者、これから雇用しようと考える専門職者、導入したいと考えている行政職者等)
【日程】
1日目…2023年12月 9日(土)12:45~開会式(受付12:00~)〜16:20 閉会・終了
2日目:2023年12月10日(日)12:15~全体会(受付11:30~)〜16:00 閉会・終了
【場所】
大正大学 〒170-0001 東京都豊島区西巣鴨3-20-1
https://www.tais.ac.jp/utility/access_map/
【アクセス】
・都営地下鉄三田線・・・西巣鴨駅下車A3出口 徒歩2分
・JR埼京線・・・・・・・板橋駅東口下車 徒歩10分
・都電荒川線・・・・・・庚申塚駅又は新庚申塚駅下車 徒歩7分
・池袋駅東口から都バス・堀割バス停下車 徒歩2分
※お車でのご来場はお控えください(駐車場はありません)
1日目:2023年12/9(土)
参加方法:会場参加および後日配信あり(※配信は科研費公開講演会部分のみ)
12:00-受付開始 (5号館)
12:45-開会式
13:00-科研費公開公開講演会 (★講演会のチラシはこちら)
「講演テーマ:アドボカシー・リカバリー・ピアワーク」
【講師】ジャネット・マアー氏
【司会】栄 セツコ 氏
【コーディネーター】坂本 智代枝 氏
~~途中休憩あり~~
15:20-日本のピアスタッフ等による話題提供
【話題提供者】矢部 滋也 氏 ・中田 健士 氏
【助言者】ジャネット・マアー 氏
【コーディネーター】坂本 智代枝
16:20 閉会・終了
今年の講演会は、科研費プロジェクトとしてオーストラリアにおけるピアアドボカシー活動をけん引してこられたジャネット・マアー氏をお招きし、ピアが行うアドボカシーを学ぶ機会をご講演いただきます。後半には、矢部滋也氏(一般社団法人 北海道ピアサポート協会)、中田健士氏(株式会社MARS)から話題提供をしていただきます。
2日目:2023年12/10(日)
参加方法:会場参加のみ(後日の動画配信なし)
11:30-受付開始(1号館)
12:15-全体会 (1号館)
12:40-分科会への移動
13:00-分科会(1号館および2号館)
15:00-休憩
15:30-クロージング(1号館)
16:00 閉会・終了
※2日目は、全体会を行ったのち、全部で5つの分科会を開催します。
※申込みの際に、ご希望の分科会を第3希望まで選択してください。
(分科会には定員がある為、ご希望の分科会に入れない場合があります。予めご承知おき頂けますと幸いです。)
※2日目の各分科会の定員は20名~30名程度で考えています。(部屋の大きさによって分科会の定員が多少違います)
※2日目の全体会およびクロージングは、お部屋の大きさの都合により人数を制限させて頂く場合があります。予めご承知おきください。
【分科会情報】
■分科会1:「期待」と向き合い働き続けるためのセルフケア ~時には休職してもいいじゃん~
山田裕貴(所沢市保健センター)、瀬戸麻貴(社会福祉法人成和会)、藤原由紀、高橋哲(埼玉県済生会鴻巣病院、生活支援センター夢の実)
■分科会2:ピアスタッフと専門職 〜「協働」ってなんだろう?〜
斎藤俊生、林友里(中野区地域生活支援センターせせらぎ)、清田智也、長嶋美紀(渋谷区地域活動支援センターふれあい)、里村嘉弘(東京大学 大学院医学系研究科 医学のダイバーシティ教育研究センター)
■分科会3:なりたてピアスタッフの純真な気持ちを語る
天田由紀子(HALO相談支援センター)、髙田晴江(相談支援センターくらふと)石田貴紀(社会福祉法人トラムあらかわ、NPO法人トモニ、東大病院)、石村徹(支援センターアゼリア)、金原明子(東大病院精神神経科)
■分科会4:自分の権利をまもることと仲間の権利をまもること 〜日常の身近な権利について考えよう〜
櫻田なつみ((株)MARS就労支援事業所co opus)、田村大幸(就労移行支援事業所こねくと)、西村聡彦(日本社会事業大学大学院)、黒木紀子(国分寺すずかけ心療クリニック)、坂本智代枝(大正大学)
■分科会5:ピアスタッフの価値と役割を考える 〜ピアスタッフが大切にしたいこと〜
矢部滋也(北海道ピアサポート協会)、眞嶋栄(木村病院)、関口明彦(ライフサポートセンターMEW)、相川章子(聖学院大学)、鶉領太郎(静岡福祉大学)、荒井浩道(駒澤大学)、 横山和樹(札幌医科大学)、濱田由紀(東京女子医科大学)
【主催】日本ピアスタッフ協会
【運営】第11回全国ピアスタッフの集い実行委員会
【協力】大正大学 坂本智代枝
【後援】金剛出版
認定NPO法人 地域精神保健福祉機構コンボ
一般社団法人 北海道ピアサポート協会
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